青梅市二俣尾に所在する「海禅寺」は瑞龍山と号し、本尊は釈迦如来です。室町時代に群馬県白井の雙林寺2世、一州正伊を開祖として開かれたといわれています。この地方を支配していた三田氏の菩提寺であったといわれており、厚い保護を受けていたそうです。
この海禅寺の本堂西側の坂道を100メートルほど登った墓地の一角に、五輪塔が建てられている場所があり、「首塚」と呼ばれています。

画像が「首塚」の現在のようすです。
説明板が建てられているようなのですが、これは残念ながら日に焼けてしまっていて、まったく文字を読むことができませんでした。
画像の右側に見えるのが五輪塔で、永禄年間(1558~1570)に五世の僧禅染が建てたといわれています。また左側の石の祠は「三田稲荷社」で、寛政年間に23世和尚が綱秀の霊を祀ったと海禅寺の記録に残されているそうです。『定本市史 青梅』では、この五輪塔は北條氏の治世に世を忍んでひそかに建てられた綱秀の墓ではないかとしていますが、『青梅を歩く本』では、形式からして、三田氏の墓と同じく江戸時代初期のものではないかとも書かれています。

首塚は、塚と呼ばれて入るもののマウンドは存在せず、周囲は墓域として整地されています。以前は山中の竹林に存在したようなので、かつては盛土が存在したのかもしれませんが、真相はわかりませんでした。。。
<参考文献>
青梅市史編さん実行委員会『定本市史 青梅』
青梅市教育委員会『青梅を歩く本』
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- 2018/05/26(土) 12:27:29|
- 青梅市の古墳・塚
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