
画像は、あきる野市草花にある「北小宮古墳」を北から見たところです。あきる野市の遺跡番号50番の古墳です。

この古墳は平井川の右岸の台地状、小宮神社の西側の道路をへだてたところにあります。南側が宅地により削られているものの、比較的良好に残存しているようです。規模は東西径約15m、南北径約20m、高さ約1mの円墳状になっており、墳頂部には祠が祀られています。

『秋川市史』によると、古老の語りとして、祠の下に一枚岩があるとの言い伝えを紹介しています。一枚岩は確認出来ませんでしたが、周辺には10cmから20cmくらいの河原石が散在していました。
「小宮神社の怖~いはなし」
80年ほど前の話だそうです。ある娘が村の若者に片思いをしていました。しかしその恋は叶わず、若者は別の娘と良い仲になってしまいました。娘は若者をあきらめきれずに恋敵の娘に見立てた紙人形を作り、小宮神社の境内にあった大きな杉の木にその人形を大きな釘で打ち付けたそうです。丑三つ時に毎晩打ち付けられた釘は、全部で11本もあったそうです。その後、娘や若者がどうなったのかはわかりません。 画像は、小宮神社を南から見たところです。。。

『秋川市史』によると、”小宮神社のまた東面の下段には、高さ約1m、東西径4m、南北径5mの円墳状のふくらみがあり、古墳ではないかといわれている”との記述があります。これは遺跡登録されていない古墳のようですが、北側下段がすでに宅地となっていてよく判りませんでした。ちなみに社殿の北側には祠が祀られています。

また、同じ『秋川市史』に、”この地点より東に約20mばかりはなれた斜面にも、小さな祠があり、稲荷が祀ってある。今ではまったく古墳の面影さえないが、この地点に遺存していた古墳は、昭和の初めごろに破壊され、そのおりに数十個の鉄鏃等が出土したといわれている。”とあります。この周辺も宅地化が進んでいるものの、台地の斜面にひっそりと祠が残されていました。唯一残された古墳の記憶、といったところでしょうか。。。
<参考文献>
秋川市史編纂委員会『秋川市史』
多摩地区所在古墳確認調査団『多摩地区所在古墳確認調査報告書』
秋川の昔の話『秋川市教育委員会』
- 2013/01/22(火) 03:32:37|
- あきる野市/その他の古墳・塚
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