
「片平富士塚」は、川崎市麻生区片平748番地に所在する古墳です。
この片平の富士塚は、江戸後期に編纂された地誌『新編武蔵風土記稿』の片平村の項に記述が見られ、「村の西にあり、その由来を伝えず、二間四方ばかりの塚なり』と書かれているようです。その存在はかなり知られていたようですが、当時からそれほど大きな塚ではなかったようです。
この片平富士塚は、測量調査が行われています。現状の墳丘は、東側から北側にかけては比較的きれいな弧を描くのに対して西側では楕円形状となっており、規模は、長軸で23m、短軸で約18mを計ります。築造当初は、直径約18m、高さ約2.2mの円墳だったと推定されているようです。
この古墳は、後世の塚である可能性も指摘されており、発掘調査が行われていないことから詳細のわからない古墳です。
実はこの古墳は7年くらい前に一度訪れてみたのですが、当時のこの敷地は銀行の更生施設で、施設自体がお休みの日だったのか古墳を間近で見学することはできませんでした。すぐに再訪すればよかったのですが、6年以上経って昨年終わりころに訪れたところ、敷地はJR東海の事業用地として売却されており、グラウンドは閉鎖。結局、以前と同じ場所で同じ角度から写真を撮るという体たらくとなりました。(涙)
丘陵頂部が古墳の所在地です。。。

画像中央の木立のあたりが古墳の所在地と思われます。
この近辺に、以前から気になっていたお蕎麦屋さんがあって、富士塚の見学後に食べに行こうと思っていたのですが、営業はお昼までということで閉まっていました。
よく調べていかないからこういうことになるのですが、お店の人に「ありがとうございます、またいらしてくださいね」と優しく声をかけていただいて、泣けました。
お蕎麦、必ずいつか食べに行きます。
<参考文献>
佐藤善一・伊東秀吉「川崎市内の高塚古墳についてー現状確認調査を踏えて」『川崎市文化財調査集録 第24集』
野中和夫・赤堀岳人「川崎北西部に分布する古墳の概況」『川崎市文化財集録 第41集』
柿生郷土史料館『柿生文化 第61号』
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- 2019/04/17(水) 23:06:59|
- 川崎市の古墳・塚
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